月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学…☾*

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桃の節句

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◆ひな祭りの起源
三月三日は女の子の節句、ひな祭りです。
ひな祭りは、神社で形代という簡素な紙人形をなでて身体のけがれを移し
海や川に流すという古代中国の風習が起源です。
それが日本に伝わって、平安時代に宮中の女官たちの「ひな遊び」という
ままごとに結びつき、江戸時代に五節句の一つとして上流社会に広がり
次第に華やかなものになっていきました。

◆ひな人形の起源
ひな人形の始まりは、徳川家康の孫で後水尾天皇の中官となった東福門院が
娘の興子内親王(明王天皇)の幸せを夢に描いて作った座り雛だと言われています。
モデルは美女の代表小野小町と美男として有名な在原業平。
江戸時代も現在も、娘の幸せを願う親の気持ちは同じようです。

ちなみに、京都では宝鏡寺が別名「人形寺」とも言われ、光格天皇遺愛の品のほか
多くの人形が納められています。10月には人形供養の行事も行われます。

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ひな祭りは、古くは「上巳の節句」「弥生の節句」などの呼び名があり
五節句(「人日」「上巳」「端午」「七夕」「重陽」)の一つにあたります。
女の子がいる家ではこの時期にひな人形を飾り、白酒や桃の花を供えてお祝いします。

●雛人形の配置
関東では自分から向かって左に男雛、右に女雛を置くとされますが京都は逆です。
向かって右が男雛、左が女雛になります。
これは御所の伝統にならったもので、左大臣・右大臣で左大臣が偉いように
左が位の高い位置とされているためです。というのは、御所の紫宸殿は南向きに建てられており
天皇から見て日が昇る方角(東)は左、ということで、位が高いのだそうです。
京都の地名「右京区」「左京区」もこれにならったもので、実際地図でみると
左右が逆になっています。

雛人形の飾り方は地方によって様々で、飾り方に決まりは特にありません。
ただ、多い飾り方は三種のようです。

・御殿を模しての全部の飾り方(段飾りなどを含む)
・御殿の内の一室を拝しての飾り方
・屏風を用いて御座所の有り様を拝しての飾り方

内裏雛の飾り方、左右をどちらにすればよいかで悩むこともあると思いますが
どちらでも構いません。
旧来の伝統では左(向かって右)が男雛とされていて、「古式」と呼ばれています。
文明開化以降では男雛を右(向かって左)に置くことが多く、「現代式」と呼ばれています。

雛人形の定番は、七段飾り十五人揃えですが、家の中に大きなスペースはない家庭では
コンパクトな「親王飾り」で十分でしょう。
親王飾りとは、お殿様とお姫様だけの飾りで、平飾りとも言います。
七段飾り十五人揃えは、夫婦びな、三人官女、五人囃子、左大臣・右大臣、仕丁と橘と桜
お道具、乗り物と揃ったものです。やはり見た目も豪華に見えます。

雛人形を飾る時期は、立春の2月4日から2月中旬までに飾り付け、3月の中旬までには片付けます。
また、雛人形を飾る前日に桃酒や菱餅などの飾り物お供えします。
もともと雛人形は赤ちゃんの身代わりとなってくれるお守りですから
本来、女の子の数だけ用意すべきもので、姉妹で共有するものではありません。
しかし、そこまで厳密に守る必要はないでしょう。

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●段飾りの登場人物
江戸時代から始まった段飾りですが、ひな祭りの有名な歌「うれしいひなまつり」の歌詞に
お内裏様から右大臣までが歌われるのでだいたいのことはご存じの人も多いはず。

三人官女はお姫様のおつきの女官で、楽器を奏で、歌を詠み、家庭教師もこなすキャリアウーマン。
よく見るとひとりだけ眉がありません。
眉を剃り、お歯黒をつけるのは既婚女性の習慣でしたから、この女官はおそらく
年かさの官女長、あとの二人は若い女性です。

五人囃子は単なる楽団ではなく、元服前の貴族の師弟で、良い所をアピールすれば
元服後に宮中で重宝してもらえるかもしれないという少年達なので
実はなかなか彼らの心の中は野心に満ちています。
元服前なので髪型はお殿様とは違い、少年の髪型です。

右大臣、左大臣は別名随身(ずいしん)、お殿様のおつきの男性です。
お殿様と一緒に行動し、時には恋の橋渡しなどもします。
向かって右が左大臣でおじいさん、向かって左が右大臣で若者です。

一番下の3人は仕丁(じちょう)、宮中の雑用係で身分が低い分、怒った顔、泣いた顔、笑った顔と
それぞれユーモラスな豊かな表情をしています。

人形のこういったストーリーを知ったうえで段飾りを眺めてみるといろいろ想像が膨らんで
なかなか楽しいものです。
こういった雛人形のお顔は頭ばかりを作る人形職人さん、頭師(かしらし)の手によって
一つの段飾りに飾られる人形を統一して作ります。
そうするとそのワンセットの人形達が皆同じような雰囲気を持ち、調和が生まれます。
人形職人さんには他に髪を結う結髪師、人形の表情のもう一つの決め手になる手足を作る手足師
小物を作る小道具師と、胴体と着物の着付け、全体の組み立てを行う着付師、と
それぞれ専門家がいて流れ作業で一つの人形が完成します。

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●ひな人形を飾る時期
ひな祭りは春を寿ぐ意味もあるので、立春(暦の上で春が始まる日。2月4日ごろ)を過ぎたころに
飾りはじめ、ひな祭りがすんだ翌日には片付けるのが良いとされています。
なるべく早くしまうのは「ひな人形を早くしまわないと、嫁に行きおくれる」という
迷信によるものですが、そこにはこんな親ごころがありました。

◇厄祓いをして不幸を遠ざけるため
ひな人形には、我が子の厄や災いを引き受ける役目があります。
そこで、厄を移したひな人形をいつまでも身近に置いておくと幸せな結婚もできないと考え
早く片付けて災いを遠ざけたほうが良いとされました。

◇きちんとした娘にしつけたいから
美しいひな人形はいつまでも眺めていたいもの。また、いざ片付けるとなると面倒です。
しかし、いつまでも飾っておくと梅雨も近づきカビの心配もあるでしょう。
そこで、片付けも満足にできないようではきちんとした女性になれず
いいお嫁さんにもなれないと考え、早く片付けるようしつけました。

◇早く幸せになってほしいから
婚礼の様子を模したひな人形は、娘の結婚になぞらえることができます。
早く飾り出すと「早く嫁に出す」、早くしまうほど「早く片付く(嫁に行く)」ととらえ
早くおひなさまのような幸せな結婚ができるよう願いました。

【早くしまえないときの裏ワザ】
このような意を汲んで早めに片付けるようになりましたが
時間がないときや湿気が多い雨の日は、片付けには向きません。
そんなときは、内裏びなを後ろ向きに飾り、「お帰りになった」「眠っていらっしゃる」と解釈します。
もちろん気にしないで飾っておいても構いませんが、春を寿ぐという意味では
3月中旬、遅くとも春分(春の折り返し地点。3月21日ごろ)までにはしまいましょう。
また、ひな祭りを旧暦で祝う地方や、旧暦の3月3日まで飾っておく地方もあります。

雛祭りは別名「桃の節句」といい、桃の花を飾ったり、桃花酒を飲む習慣があります。
これは桃の木には邪気払いの効き目があるとされているからです。
同じように柳も飾りますが、これも柳が生命力が強いことから、健康を祈って
縁起のよい桃と柳を飾るのだそうです。

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●ひな祭りの和菓子(雛菓子)
ひな祭りは待ちに待った、女の子のお祝いの日。
ひな人形を飾って、桃の花と、白酒、菱餅、ひなあられ・・・。

【菱餅】
ルーツは古代中国の上巳節で食べていた母子草のお餅で
母と子が健やかであるようにという願いが込められています。
それが日本でよもぎ餅となり、江戸時代に菱を入れた白い餅が、明治時代にくちなしを入れた
赤い餅が加わって、3色となりました。
それぞれに、健やかな子に育ってほしいという願いが込められています。

●桃色(赤)…赤いクチナシの実には、解毒作用がある。赤は魔よけの色。
●白……血圧を下げるひしの実が入り、子孫繁栄、長寿、純潔を願う。
●緑……強い香りで厄除け効果があるよもぎ餅。健やかな成長を願う。

また、3色を重ねる順番で春の情景を表現しています。
・下から緑・白・桃色の順番で“雪の下には新芽が芽吹き、桃の花が咲いている”
・下から白・緑・桃色の順番で“雪の中から新芽が芽吹き、桃の花が咲いている”

この3色はひな祭りの色として定着しており、さらに菜の花を表す黄色を加え
より華やかにする場合もあります。
いずれも飾り付けなどに活用すると、ひな祭りの演出にぴったりです。

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【ひなあられ】
その昔、ひな人形を持って野山や海辺へ出かけ、おひなさまに春の景色を見せてあげる
「ひなの国見せ」という風習があり、春のごちそうと一緒にひなあられを持って行ったのが始まりで
菱餅を砕いて作ったという説もあります。
関西風のひなあられは“あられ”ですが、関東風のひなあられは“ポン菓子”で
味も見た目も違います。

【白酒】
和菓子ではありませんが、とろりとした甘いお酒はひなまつり独特の味わいです。
今は子供向けにアルコール分のないものも売られていますのでみんなで楽しむことができます。
日本の祭りに欠かせない御神酒は体を清める意味があります。
室町時代頃から各地で作られていた白酒が雛祭りの定番となったのは江戸時代と言うことです。
餅米とうるち米が原料で搾らずにすりつぶして作るためとろみのある白いお酒になります。

【よもぎ餅(草餅)】
華やかさはありませんが昔からあるひな祭りの和菓子といえるでしょう。
菱餅のところでも説明しましたが、もともと厄よけの意味の強いひな祭りに
魔よけの意味を持つ薬草を使ったお餅が好んで食べられました。

【練りきりを使ったお茶菓子】
こしあんの黒で色合いを引き締めて、白、ピンク、薄緑などの色彩を使い色々な形が作られます。
ピンクに染めた練りきりを白あんと組み合わせて桃の花をかたどった物、うぐいすをかたどった物
他には菜の花など春らしいモチーフが使われます。
長めに丸めたお餅に綺麗に染めた練りきりの着物を幾重か巻き付け
内裏びなをかたどった物もあります。
他には春らしい薄いパステルカラー(黄、緑、ピンク、白)などを使った金平糖
三盆糖を使った干菓子、グラニュー糖をまぶしたゼリー干菓子などを菱餅や花の形に固めた物を
小さな重箱を真似た箱に可愛らしく詰め合わせたものなどが和菓子屋さんの店先に並びます。
また、白酒や梅酒を使ったゼリーや焼き桜餅など、春をイメージする和菓子が
雑誌のレシピなどにさかんに紹介されていますので、ご自分で作ってみても楽しいのでは。

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●ひな祭りの花

【桃】
中国では桃は子孫繁栄をもたらす霊木でその実は不老長寿の仙薬とされる伝説があります。
俗世を離れた理想郷は桃の花が咲き乱れる「桃源郷」とした物語もあります。
まだ寒さの残る季節に、幾重か重なった薄い桃色の花がかぐわしく咲き誇る姿は
本当にうっとりとさせられます。
ちょうど旧暦の上巳の頃に美しく咲く桃の花には邪気をはらう力があると尊ばれ
好んで飾られたと言うことです。
また、桜の花びらを浮かべた桃花酒(とうかしゅ)を飲むと
どんな病でも治ると信じられていたそうです。
雛壇の最上段、内裏びな二人の間の三方飾りはこの桃花酒だそうです。

【桜橘】
雛壇に飾られる桜と橘(たちばな)は、京都御所にある「左近の桜」「右近の橘」
向かって右が桜で、向かって左が橘です。
天皇の左(東)を守る近衛兵を「左近衛」、右(西)を守る近衛兵を「右近衛」と呼ぶことから
名付けられているそうです。つまり雛壇にも登場する左大臣、右大臣と合わせて
左大臣側に桜、右大臣側に橘、となります。

【桜】
春の代表的な花です。

【橘(たちばな)】
蜜柑と同じ柑橘類で、日本では万葉集の時代から和歌に多く詠われる馴染みの深い木です。
大昔より日本に自生している常緑樹で冬でも緑を失わない様子と美しい果実
かぐわしい香りが尊ばれました。また神の化身とされた蝶の幼虫が育つことで
神代と世俗を結ぶ神の依代(よりしろ)と考えられました。

【菜の花】
これも春を表す代表的な花です。
梅や桜、桃に代表される樹木に咲く桃色や白の花もあでやかさがありますが
地面一面に咲く薄緑と黄色の目も覚めるような光景はまた違った華やかさがあります。
おひたしにして食べることもでき、ほろ苦く少し青臭い味わいは春の風物です。
ひなまつりにお花を飾るときは、スイトピーやチューリップ、ガーベラ、スプレーカーネーションなど
白、黄色、ピンクなどのパステルカラーを中心にあまりこだわらずに可愛らしく飾りましょう。
中に桃の枝を入れるとそれだけでぐっと和風にひなまつりらしさが演出できます。
また、もともとは女の子のお祭り、この頃会う女友達にひなまつりギフトとして
小さなブーケを渡してみるなども嬉しい計らいです。

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●桃の節句の料理
初節句には雛人形を飾り、お祝いの膳として桃の節句の料理を用意します。
桃の節句の料理には、はまぐり、よもぎ、えび、はす、豆などを用意しましょう。
それぞれに縁起を担ぐ意味があります。

はまぐり 女の子の美徳と貞節を意味しています
よもぎ 薬用効果があり、菱餅の緑色の部分に使われています
えび えびの赤は生命を表します
はす 見通しのいい人生を意味しています
まめ 健康でまめに働くことを意味しています
これに加え、鯛やちらし寿司を用意するのが一般的です。


*日本の五節句
人日(じんじつ)/陰暦正月七日「七草がゆ」
上巳(じょうし)/陰暦3月3日「桃の節句」
端午(たんご)/陰暦5月5日「端午の節句」
七夕(たなばた)/陰暦7月7日「七夕祭り」
重陽(ちょうよう) /陰暦9月9日「菊の節句」
9月9日の重陽の節句はなくなりましたが、他のお節句は現代まで伝わる行事


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 雛祭り・こどもの日.com
雛祭りとこどもの日を専門に取り上げたサイトです。
雛人形から雛祭りの一般知識まで豊富です。

 雛祭りのこんな話しってる?
晃月人形が運営する雛祭りの知識を紹介したサイトです。雛人形が詳しく分かります。

『和宮ゆかりの雛かざり』
国立歴史民俗博物館



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