月彩 Tsukisai...*

歳時記・旧暦・季節暦・美し和言葉・暮らし雑学…☾*

弥生三月 * 春の歓びをうたう雛の月

●三月 弥生(やよい)

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三月は「弥生」と書きますが「弥生(いやおい)」が変化したもの。
弥生の「弥(いや)」は「ますます」「いよいよ」などを意味し
「生(おい)」は「生い茂る」と使われるように
草木が一斉に新芽を出して緑美しく生い茂ります。
つまり「弥生」は「いよいよ生まれる」とか
「いよいよ生き生きした季節になる」という意味になるでしょう。
桃や桜が咲くので花月(かげつ)
だんだん暖かくなって眠気を誘うので夢見月という異称も。

春という言葉
諸説ありますが「万物が発る」時候というのが一般的な定説のようです。
その他...「草木の芽が張る」「天気が晴る」「田畑を墾る」などから
「はる」という説もあります。

●三春(さんしゅん)

初春
春先、春べの頃、
つまり立春(2/4ごろ)から啓蟄の前日(3/5ごろ)までをいい、
孟春ともいいます。

仲春
春さなかの頃、
啓蟄(3/6ごろ)から清明の前日(4/4ごろ)までをいい、
仲陽ともいいます。

晩春
末の春の頃、
清明(4/5ごろ)から立夏の前日(5/4ごろ)までをいい、
季春ともいいます。

南北に長い日本列島では、実質的な春の到来の時期は地域によって
かなりの差がみられます。
北海道、東北地方では3月はまだ冬の名残の時季であり
気温が急に上昇する関東以南の明るいイメージからはまだ遠いのです。
桃や桜など木々の花が一斉に咲き出す所もあり
いずれにせよ、冬の寒さから開放され、活動を再開する
生命の再生の喜びに満ちた季節です。

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●春霞(はるがすみ)
春の季節に立つ霞をいいます。
霧と霞は違っていて、気象的には視界が1キロ未満のものを霧
それよりも遠くを見渡せるけれど、景色がぼやけて見えるものを霞といいます。
霞はカスミと読みますが、モヤとも読みます。
カスミは気象観測上の用語ではありません。
煙や雲がたなびいたり、霧やもやなどのため遠景がぼやけて見える状態をいいます。
遠景に棚引いている薄雲は霞ですが、その中に入ると
霧の状態ということもあります。しかし、霧が棚引くという言葉はなく
立ち昇るは雲ではいいますが、霞がたちのぼるとはいいません。

三寒四温、菜種梅雨(なたねづゆ)、春の大雪、名残り雪、雛祭り
啓蟄、春の彼岸、桜前線、花曇り、桜まじ、卒業式


<時候の挨拶>
早春の候 浅春の候 春暖の候 春雨の候 春色の候
春風の侯 春暖の候 若草の候 軽暖の候 

 春の彼岸の頃 日増しに春めいてまいりました
 水ぬるむ季節となりました ひと雨ごとに春めいてまいりました
 弥生の空美しく晴れわたり 桜のつぼみもふくらみ
 急に春めいて 風はまだ寒く 日毎にのどかになり

「木の芽風」という美しい言葉がありますが
木の芽を温かくはぐくむかのように吹く春風をいいます。
少し温かな日には、少し遠出して散策するのも良い時節です。
山野を眺めると生気感じられ、緑かかったり、ほの赤いような感じがします。
木々が芽吹き生気あふれる山の様子です。
一方、気象庁の区分では、春は3月から始まります。

春は草木の芽が「張る」「芽が膨らむ」からきていると言う説があるように
これからは、草木の芽が膨らんで
膨らんだあとで花になったり、葉になったり
まさに生き生きした季節がやってきます。
つまり、弥生と春は同じような意味の言葉なのです。

桜のつぼみもふくらみ始め、日ごと春らしさを感じる3月。
暖かい日差しを感じて心うきうきしてきます。
「春」の語源は草木の若芽が張ってくる季節。
日脚が延び、夜明けが早くなりました。
この季節になると、朝6時前には東の空はうっすらと
紫色から淡いピンクの、暖かく柔らかい春の光になってきます。

『春は曙 ようよう白くなり行く山際 少しあかりて 
紫だちたる雲の細くたなびきたる』
 清少納言・枕草子

昔から日本人は、光の色からも季節の移り変わりを敏感に感知し
暮らしの知恵を生み出し、俳句や和歌を詠んだのです。

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●雛祭り
中国の上巳の祓いが伝わる以前から、日本の貴族社会では
「雛遊び(ひいなあそび)」というものがあり
平安の中期に盛んに行われていたようです。
当時は大人の遊びでしたが、次第に子供たちの世界に広まりました。
現在のように、段を組んだり
豪華な飾りを施すようになったのは江戸時代に入ってから。
江戸時代の初期に、京都の御所で盛大な「ひなまつり」が催されて以降
江戸の武家社会にも広まり、庶民の間にも定着していったとされています。
ひな人形を飾り、白酒・菱餅・あられ・桃の花等を供えて祀ります。
ひな祭りの料理はやはり、ちらし寿司と蛤のお吸い物ですね。
蛤は女の子の美徳と貞節を意味するもので、ちらし寿司の具である
蓮(れんこん)やエビも縁起がいいものとされ、お祝い事には良く使われます。

ひな人形は「一人ひと飾り」といわれ、姉妹で共有したり
親から受け継ぐのは良くないともいわれています。
しかし、女のお子さんそれぞれに「ひな飾り」を用意し
飾るのは、難しいと思います。
新たに女の子が誕生した場合は、ひな人形を増やしていくといい
という説もありますので
揃っていない人形やお飾りを増やしてあげるといったやり方の方が
現代の生活には則しているかもしれません。
このような風習は、その家ごと、また地域によっても異なりますので
年配の方に相談されるのがいいでしょう。

3月3日はもともと古代朝廷で祝われた五節句の一つ。
昔、中国で三月に女の子を亡くした両親を慰めるために
村中で供養したという故事や日本の禊ぎ(みそぎ)の習慣が
あわさって雛祭りとなりました。
古くは紙や土でつくった人形(ひとがた)で身体を撫で
これを川に流してケガレを祓ったものがやがて飾り雛となっていったのです。
雛祭りにつきものの桃の花は、魔除けや邪気を祓う木と考えられ
菱餅は心臓の形を模したものともいわれています。
また菱餅の三色は、赤のクチナシが解毒剤、白の菱が血圧低下剤
緑のヨモギが増血剤として、それぞれ用いられてきたもの。
現代でも流し雛の習慣は各地に残っていますが
一般的には女の子の健やかな成長を願う祭りとして祝われています。

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◆上巳(じょうし/じょうみ) 桃の節句・ひなまつり
3月3日は、五節句の二番目「上巳(じょうし)の節句」。
中国にはこの日、水辺で身体を清め、宴会を催し
災厄を祓うという風習がありました。
こうした中国の節句の行事と、日本に古代から伝わる
禊祓(みそぎはらい)の思想や「人形(ひとがた)」を流す風習とが混じり合い
日本ならではの上巳の節句となりました。 
上巳はじょうみとも読まれ、本来は三月の最初の巳(み)の日という意味でしたが
かなり古い時代から3月3日に行われるようになりました。

ひな祭りとは、元々、厄除けの日です。
桃の花を飾り、季節の食べ物を供え
身の穢れや災いをひな人形を飾り厄を托すのです。
桃の花は昔から邪を払う霊木とされ、皮膚病の薬として珍重されてました。

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◆二十四節気

■啓 蟄
 
この頃になると、冬の間、土の中で冬ごもりしていた、いろいろな虫が
穴を 啓いて地上へ這い出してくるというところから啓蟄と呼ばれる。
またこの頃は、春雷がひときわ大きくなりやすい時期でもある。
そこで昔の人は、冬ごもりの虫が雷の音に驚いて這い出してくるのだろうと考え
「虫出しの雷」と名付けたりもした。
まだまだ、寒い時節ではあるが、日足も目に見えるように長くなり
日の光の中に春を強く感じるようになる。
ちなみに、「蟄」は「ちゅう」の慣用読みで、虫などが土中にかくれている意。

■春分の日
二十四節気の「春分」そして国民の祝日「春分の日」
お彼岸の中日(ちゅうにち)でもあります。
本格的な春が到来し、秋分とともに昼と夜が同じ長さになる日。
桜前線が北上しはじめるのもちょうどこの頃です。
また、春分の日を中心として前後七日間を「彼岸」と呼び
先祖を供養するためにお墓参りをします。
墓参りの際に「ぼたもち」をお供えする所も多いですが
地域によっては「団子」や「のり巻き」をお供えする場合もあります。
「花冷え」や「寒の戻り」があるので、暖かいと言っても油断は禁物。

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昼と夜の長さがほぼ同じになる日が、年に2回あります。
そのひとつが春分の日で、もうひとつが秋分の日です。
別名を「彼岸の中日」といいます。
彼岸とは 春分の日をはさむ、前後の7日間をさします。
そのちょうどなかばに当る春分の日から
冬の寒さが去って春が訪れるといわれ
「暑さ寒さも彼岸まで」ということわざがあります。
春分の日には、自然をたたえ生物をいつくしむという意味から
昭和23年に国民の祝日となりました。
春分の日は、春の彼岸の中日にあたり
明治時代には「春季皇霊祭」として定められ
宮中で祖先を祭る日とされていました。

昔の人は、自然に感謝し春を祝福する日だと感じていたようです。
それは、長い間冬眠をしていた動物たちが動き始め
人々もやる気に満ち溢れている時期です。
また、この日の前後にご先祖様への感謝の気持ちを伝えるために
お墓参りに行く習慣もあります。

天文学的な話をすると、春分の日は、太陽が春分点
(天球上の赤道を太陽が南から北へ横切る瞬間の交点)にくるため
昼夜の長さが等しくなる日と言えます。
その不思議な現象が古代の人の心を惹いたのではないでしょうか。
暦は、天文学的要素と占いなどの要素の両方が
バランスよく組み合わさって出来ています。
またこの日は、生気に満ちた体に更に活気をつけるためか
各地でマラソン大会など開催されるようです。

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◆雑 節

■彼岸

春分、秋分の日をはさむ前後七日間を彼岸と言います。
初日は彼岸の入り、中心の日は中日、最後の日を彼岸明けといって
合わせてこの七日間は、各寺院、家庭で彼岸会の法要が行なわれます。
「春分の日」は「自然をたたえ生物をいつくしむため」に
また「秋分の日」は「祖先を尊び、亡くなった人をしのぶため」に
国で祝日に定めているように、彼岸は、あの世(彼岸)の死者の
安らかな成仏を願うという意味にあてられています。

晴秋ともに太陽が真東から出て真西に沈む日を
それぞれ、春分の日、秋分の日として、いまは国民の祝日になっていますが
この前後七日間のことをいいます。
春のお彼岸は、「自然をたたえ生物をいつくしむ」意味が強く
秋の彼岸は「祖先を尊び、亡くなった人をしのぶ」意味が強いとされています。
お墓参りはできるだけこの機会にしましょう。家の仏壇もきれいにします。

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御萩(おはぎ:萩の餅の略称)の呼び方
春の彼岸…牡丹餅(ぼたもち)。春に咲く牡丹にちなんで。
秋の彼岸…萩の餅。秋に咲く萩にちなんで。


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