月彩 Tsukisai...*

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雨の季節の彩り

rajisai

紫陽花 (アジサイ)

花の訪れとともに、間もなく梅雨入りを知らせるアジサイの花。
アジサイには二通りの花の形があることにお気づきですか?
一つは「額ぶち咲き」といわれる、中央部分に粒状の小さな花が集まり
その周りを額縁のように装飾花が取り巻いている形。
二つ目は「手まり咲き」といわれる
すべてが装飾花で構成されている半球の形です。

アジサイはれっきとした日本原産。
観賞用として鎌倉時代から庭園などに植えられていましたが、さほど人気はなかったよう。
むしろアジサイの美を見出したのは外国人でした。
イギリスでは初めてロンドン埠頭にアジサイが到着したとき
なんと花を歓迎する代表団がわざわざ出迎え
アジサイがやってきた記念の朝食会まで開かれたというから驚きです。
アメリカでは、大きなブルーのアジサイが
「髪を青く染めたおばあさんのようで可愛らしい」と人気を集めたそうです。

こうしてアジサイは欧米で鉢植え用として品種改良され
西洋アジサイ(ハイドランジア)として日本にも逆輸入されます。
花屋さんに並んでいる鉢植えのアジサイはほとんどがこの品種です。
草丈が短く改良されているので、お部屋の彩りとしてアジサイを楽しむことが出来ます。

アジサイは育つ土の具合でピンク、青、紫と、様々な色に育ちます。
これは土が酸性だと青が、アルカリ性だとピンクが美しく発色するという性質によるもの。
咲く場所によって微妙に違う淡いハーモニーを楽しませてくれるアジサイ。
雨をうけたアジサイはますます美しさを増し、通りすがる私たちの気分を
明るく染め上げてくれることでしょう。


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* アジサイ(紫陽花)は アジサイ科 アジサイ属の植物の総称。
学名は Hydrangea「水の容器」という意味。
いわゆる最も一般的に植えられている球状のアジサイはセイヨウアジサイであり
日本原産のガクアジサイ Hydrangea macrophyllaを改良した品種。

樹高1~2m。葉は、光沢のある淡緑色で葉脈のはっきりした卵形で
周囲は鋸歯状。6~7月に紫(赤紫から青紫)の花を咲かせる。
一般に花と言われている部分は装飾花で本来の花は中心部で小さくめだたない。
花びらに見えるものは萼(がく)である。
セイヨウアジサイではすべてが装飾花に変化している。

花の色が土壌のpH濃度によって様々に変化するので「七変化」とも呼ばれる。
日本原産の最も古いものは、青色だという。
花はつぼみのころは緑色、それが白く移ろい、咲くころには水色または薄紅色。
咲き終わりに近づくにつれて花色は濃くなっていく。

「あじさい」の名は「藍色が集まったもの」を意味する
「あづさい(集真藍)」が訛ったものと言われる。
また漢字表記に用いられる「紫陽花」は
唐の詩人白居易(はく きょい)が別の花に名付けたもので
平安時代の学者源順(みなもとのしたごう)がこの漢字をあてはめたことから
誤って広まったと言われている。

* 鎖国時代に長崎にオランダ人と偽って渡来したドイツ人医師シーボルトは
日本のアジサイに惹かれアジサイ属14種の植物図とその解読を発表した。
その中で、特に花の大きい一品種に愛人の名前「お滝」をとって「オタクサ」と名づけている。
季語は夏。

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◇各地のアジサイ名所
アジサイは長崎市・相模原市・習志野市・松戸市・旭市・新庄市・渋川市
下田市・神戸市・福井市・宇土市・大江町の花に指定されている。
また、2003年7月新発田市と合併した豊浦町の花にもなっていた。
全国各地にアジサイを境内に多く植えたアジサイ寺と呼ばれるような観光名所がある。
北鎌倉の明月院が中でも有名。
公共の施設では神戸市立森林植物園
舞鶴自然文化園に約5万株のアジサイが植えられている。
また箱根登山鉄道では、開花時期に合わせ夜間
ライトアップされたアジサイを楽しめる特別列車が運行されている。

◇古典文学でのあじさい
万葉集には2首のみ。平安後期になるとしばしば詠まれるようになった。
万葉集時代
言問はぬ木すら味狭藍 諸弟(もろと)らが 練の村戸(むらと)にあざむかえけり
(大伴家持 巻四 773)
紫陽花の八重咲く如くやつ代にを いませわが背子見つつ思はむ(しのはむ)
(橘諸兄 巻20 4448)
平安時代以降
あぢさゐの 花のよひらに もる月を 影もさながら 折る身ともがな
(俊頼『散木奇歌集』)
夏もなほ 心はつきぬ あぢさゐの よひらの露に 月もすみけり
(藤原俊成 『千五百番歌合』)
あぢさゐの 下葉にすだく蛍をば 四ひらの数の添ふかとぞ見る
(藤原定家)

◇花言葉
強い愛情、移り気なこころ、一家団欒、家族の結びつき


 「花とみどりのことのは」
心に潤いを与える美しい自然、いとおしい植物。
和歌や俳句だけではなく、民謡や川柳、童話や小説の中でつかわれてきた
自然にまつわる言葉。
日本人が昔から愛し、大切にしてきた花とみどりの言葉に
華香る温かい写真を添えた珠宝の一冊。
息吹の章/華やぎの章/木霊の章/稔りの章/祈りの章
花とみどりのことのは

 「押し花カードと季節のおたより」
四季折々の花で作る季節のはがきと
ブライダル、バースデーからクリスマスまで記念日のカードを掲載。
カード作りを楽しむための基本からカリグラフィーや
プチコラージュのワンポイントレッスン付き
押し花カードと季節のおたより

 「日本の色」
あの日摘んだ野の花の色…あの日まとった晴着の色…
あの日眺めた夕焼けの色…日本人の美の心が生んだ彩りの世界。
みやびの色を集大成。
色の風景1(古都の彩り/時代の色/配色の妙)/
色の風景2(四季の彩り/色の事典)
日本の色

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タグ:水無月 紫陽花

Comment

point

雪月花さん、こんにちは。
関東の梅雨入りも間近ですね。
日本の美しい四季や和言葉の奥深さ…若い頃に関心を持つことはなかったのですが、年齢を重ねてきて、あらためて興味を惹かれたみたいです(^_^*)
雪月花さんのサイトのリンク貼らせて頂きました。
こちらこそよろしくお願いいたします。

2006/06/05 (Mon) 14:27 | 沙羅 #IY7bLZJE | URL | 編集 | 返信

point

沙羅さん、おはようございます。
「雪月花」へお寄りくださって有難うございました。とってもうれしいです ^^ 日本の美しい季節感、古きをたずねて新しきを知る‥当方と共通項の多いこちらのサイトに出合えてよかったです。今後も末永くよろしくお願いいたします。 また伺いますね。

2006/06/05 (Mon) 08:22 | 雪月花 #- | URL | 編集 | 返信

point

雪月花さんこんにちは。素敵なネームですね。ブログ拝見させて頂きました。穏やかで落ち着いたイメージと透き通った明るさを感じました。
訪れる方達のコメントも良いですね♪
私もこれから拝見させて頂くつもりです。

2006/06/04 (Sun) 23:13 | 沙羅 #IY7bLZJE | URL | 編集 | 返信

point

はじめまして、こんにちは。雪月花と申します。「紫陽花」の色をたどって、こちらにまいりました。毎回美しい言の葉を綴られているのですね。これからも拝見させてください。楽しみです。
わたしも日本の季節感をテーマにした記事を学びながら綴っています。お手すきの折に遊びにいらしてくださいね。

 「雪月花 季節を感じて」
 http://blog.goo.ne.jp/setsugekka_2/

2006/06/03 (Sat) 21:08 | 雪月花 #- | URL | 編集 | 返信

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